第73回毎日書道展入賞しました

 今年度開催の「第73回毎日書道展」の「漢字Ⅰ類」に出品し、「秀作賞」に入賞しました。
 書体は「新古隷」といって、隷書をデフォルメした書体で、自分が所属している日本書作家協会及び清風会独自の書体です。
 文は唐詩選巻四五言排律「重経昭陵(重ねて昭陵を経たり)」(杜甫作)です。文字数は60字。
 第60回展に初出品。その後、70回展まで10年連続で入選し、10回入選により毎日書道展会友(無鑑査)となりました。
 今回の毎日書道展にて「毎日賞」に次ぐ「秀作賞」を受賞しました。
 これまで出品してきた作品は手本通りに書かなければという思いが強く、内面から湧き出るものが表現し切れてなく、見る人に何かを感じされられることが無かったように思います。展示会場に行って自分の作品を見ると、入選はしているものの入賞作品と比べるとやはり迫力がないというか大人しいというか、何か物足りなさがあり、「まだまだだなぁ」と毎回反省の繰り返しでした。
 今回の受賞作品は詩が作られた時代背景、場所、作者杜甫の心情に思いをはせ、新古隷の特徴を崩すことなく、墨付け、にじみ、線の太さ等を考えながら書きました。今までは文字数も多いので、途中で休んでしまうこともありましたが、この作品は一度も休まず、一気に書き上げました。そのため、今までより迫力も出たように思います。
 よく稽古事で引き合いに出される言葉に「守・破・離」と言う言葉があります。今回の作品は今までの「手本通りに書く」から、その壁を破り一段高みの境地にたどり着いたように思います。いわゆる「破」ができたように思いました。
 入賞通知が来たときには、初め自分の目を疑いました。まさかです。何回見ても封筒の表側に「入賞通知」と書かれてあり、それだけでも跳び上がって喜びました。そして、封を切り、中の通知を読むと「秀作賞」の文字が。入賞しても「佳作賞」かと思っていたら、その上の「秀作賞」でした。跳び上がって万歳し、そして、部屋の中で小踊りしてしまいました。
 ようやくの入賞でしたが、この受賞に満足することなく、来年度以降も入賞できるようにこれからも精進を怠らず、稽古に励んでいきたいと思いました。
 




毎日書道展公式サイト

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